さぁ、2020年もやってまいりました。
完全自己満足企画
波田野的年間ベストアルバム!!
今年は忙しかったので一言程度しか書けてないけど、とりあえずみなさんにもフィットしてくれたら嬉しいですね。
- 20位 Negiccoで一番地味だった子が、黄金期を迎えた万感のアルバム!!
- 19位 第3期スタート
- 18位 オルタナティブとポップが共存する新たな衝撃
- 17位 謎の高揚感
- 16位 成熟した艶のあるアルバム
- 15位 ダウナーDAOKOの帰還
- 14位 パスピエ+ずとまよ+相対性理論?
- 13位 メジャー感満載のロックアルバム
- 12位 キラキラ
- 11位 恋愛ものばかりはやめた
- 10位 再スタートに相応しいアルバムのはずだったのに
- 9位 注目のシンガソングライター待望のフルアルバム
- 8位 ネクストいきものがかりの野心的な2ndアルバム
- 7位 新世代のユーミンが紡ぐ。爽やかで苦い夏のストーリー
- 6位 BiSHのメンバーのソロプロジェクト・・・では終わらなかった
- 5位 豪華プロデューサー陣による鼻血級の名盤
- 4位 衰えることない圧倒的パワー
- 3位 WACKの全てはBiSのために
- 2位 覚醒そして黄金期
- 1位 幸せになる。それこそが唯一の革命である。
- まとめ
20位 Negiccoで一番地味だった子が、黄金期を迎えた万感のアルバム!!
『今の私は変わり続けてあの頃の私でいられてる」 / Kaede
Kaede(Negicco) 「ただいまの魔法」作詞・作曲・編曲 和田唱(TRICERATOPS)
新潟のご当地アイドル・NegiccoのメンバーであるKaedeさんのソロアルバム!!
ご当地アイドルとはいっても、ここ数年は尋常じゃないくらいの貫禄を見せつけているわけですがその中でも最近はKaedeさんの充実っぷりがすごい。
Negiccoのメンバーは個人個人が特別な巧さがあるわけではないけど、音楽業界では絶大な評価を受けていて、豪華な楽曲提供を受けてきた。
多様なジャンルのアーティストから提供を受けているにも関わらず、Negiccoが歌うと全てNegiccoの世界観になる。
ザ・アイドルなNao、特徴的な声のMeguに隠れてKaedeさんあまりフォーカスされてなかった気もするけども、今はKaedeさんの落ち着いた歌声が沁みる。
19位 第3期スタート
『Barometz』 / 安藤裕子
安藤裕子「一日の終わりに」MV (監督:齊藤工 / 出演:門脇麦・宮沢氷魚)
名盤『chronicle』以降は「生と死」を歌い続け、歌を作れなくなってしまったねえやんの4年半ぶりのアルバム。
今作は普遍的な愛という今までよりもライトなテーマだけども、ねえやんらしさもある。
第3期のスタート。
18位 オルタナティブとポップが共存する新たな衝撃
『潜在的MISTY』 / a子
「生命」をテーマにしたアルバム。
それが独特なウィスパーヴォイス、ブリストル系を思わせるダウナーなビート、怪しいリフ、病んだビジュアル全てによって説得力が増す。
次世代の音楽シーンをアップデートしていく作品。
17位 謎の高揚感
『えぴせし』 / 吉田一郎不可触世界
吉田一郎不可触世界 - えぴせし / Yoshda Ichiro Untouchable World - EPITHESI
怪物ベーシスト・吉田一郎のソロプロジェクト5年ぶりの2nd。
不思議なアルバム。
決して派手な展開があるわけではないのに踊り出したくなるビートに吉田のつぶやくような歌。
歌詞もシュールで意味がわからん。
それがトータルで独特の気持ちよさを生んどります。
16位 成熟した艶のあるアルバム
『皆空色』 / ペンギンラッシュ
ペンギンラッシュ - turntable (Official Music Video)
3枚目にしてメジャー1stアルバム。
『アンリベール』などのわかりやすい曲はないが、どれも成熟を感じさせる。
成熟とはいっても大人しいわけではなく、あらゆるジャンルが錯綜。
ラテンな『本音』や変則リズムからいきなりダンスチューンに入る『turntable』などわけがわからないことをやりつつもしっかりとポップに落とし込んでいるその手腕は見事としか言いようがない。
15位 ダウナーDAOKOの帰還
『anima』 / DAOKO
メジャーデビューアルバムとなった『DAOKO』は間違いなく日本の音楽シーンのクラシックになったと思うし、オレも人生で10枚選ぶとしたら選びたくなるほどにDAOKOの病んだ世界とポップミュージックのバランスが完璧だった。
その後は『打ち上げ花火』に代表されるような単なる歌物ばかりで「もうDAOKOである必要ないじゃん。」とがっかりしていたのだが、自主レーベルと立ち上げて1枚目になってみんなが好きだったDAOKOが戻ってきた。
ダウナーなサウンド、攻撃的なラップ、病んだ歌詞。
ガッツポーズでしたわ。
14位 パスピエ+ずとまよ+相対性理論?
『上々』 / ポップしなないで
キーボード&ドラムの変わった編成のデュオ、結成5年目の1stフルアルバム。
最近流行りの曲調なんだけども、その中でも一度聴いたら忘れられない独特の歌い回しがツボ。
何気に歌詞は怒りなどのネガティブな感情だったりなので、なんとなく聴いてても面白いし、ちゃんと歌詞を聞いても面白い。
13位 メジャー感満載のロックアルバム
『Beyond The Blue』 / ヤなことそっとミュート
スマッシングパンプキンズのようなUSオルタナティブを歌い人気を集めていたヤなことそっとミュートのメジャーデビューアルバム。
今までの『Lily』『カナデルハ』『クローザー』などのような代表曲になるようなわかりやすいロックナンバーはないのだが、これでもかってくらいのメジャーっぽい完成された音作り。
それは賛否両論あるだろうけど、何度も聴いていくうちにクセになってる。
12位 キラキラ
『PARADISES』 / PARADISES
GANG PARADEが分解されてできた新しいグループの1stアルバム。
WACKらしからぬ、めちゃくちゃ明るくてキラキラしたアルバム。
WACK好きの間では賛否両論ありそうだけど、しっかりロックしてて好き。
11位 恋愛ものばかりはやめた
『健全な社会』 / yonige
yonige「健全な朝」official music video
yonige「みたいなこと」(映画「おいしい家族」コラボMusic Video)
アボガド投げつけるような恋愛ものばかり歌っていた子たちが完全に脱却した。
ありふれた日常を素直に切り取った歌詞もそうだがサウンド面でも掻き鳴らすだけでなく非常に洗練され、どの曲も良質な映画を観ているような感覚にさせてもらえる。
10位 再スタートに相応しいアルバムのはずだったのに
『THE PARK』/赤い公園
石野理子を新Voに迎えてのフルアルバム。
メンバーの中でも「ファースト」と呼びながら制作した再スタートの新譜。
前Vo佐藤のような変幻自在ではないものの、石野の切なさを帯びた歌声は津野の曲と歌詞にフィット。
9位 注目のシンガソングライター待望のフルアルバム
『あこがれ』 / シバノソウ
サブカル界隈で注目されてきた20歳のシンガーソングライター。
オルタナ、シューゲイザーといったバンドサウンドで歌われる10代の繊細な心象風景。
モラトリアム特有の若さ、勢いを感じさせる快作。
8位 ネクストいきものがかりの野心的な2ndアルバム
『SINGALONG』 / 緑黄色社会
緑黄色社会 『sabotage』Music Video(TBS系火曜ドラマ『G線上のあなたと私』主題歌)
2013年の閃光ライオット準グランプリ、 2017年『またね』の衝撃、2018年『大人ごっこ』という到達点。
美男美女、超絶的な演奏能力、卓越したソングライティングとアレンジメント、そして長屋晴子の圧倒的な歌唱力。
そして、収録曲はドラマや人気アニメの主題歌にタイアップなど売れる要素満載。
7位 新世代のユーミンが紡ぐ。爽やかで苦い夏のストーリー
『GLINTS』 / さとうもか
さとうもか - Glints sato moka Music Video
さとうもか - オレンジ sato moka "Orange" Music Video
新世代のユーミンと評されるシンガーソングライター・さとうもかの3rdアルバム。
独特な歌詞の乗せ方がクセになる。
歌詞の世界も平易な言葉なんだけど、独特の視点で、だけどリアル。
天才ですね。
6位 BiSHのメンバーのソロプロジェクト・・・では終わらなかった
『浪漫』 / PEDRO
BiSHのアユニがソロデビューすると聞いた時は正直複雑な気持ちだった。
BiSHといえばアイナとチッチのツートップによる圧倒的な歌唱力が魅力の一つだった。
ブレイク後はアユニの比率が増えて、ブレイク前の高揚感が弱くなっていたし、そんなアユニのソロデビューは「えこ贔屓なんじゃないないか?」なんて勘繰ったくらいだ。
実際に1stアルバムは田淵さんのギター頼りだった印象だった。
しかし、今作だ。
もちろん曲は松隈ケンタ氏率いるSCRAMBLESだが、歌詞はアユニが書いている曲が大半。
そして、その歌詞がすごい。
決して上手い歌詞を書くわけではないが、ハッとするような表現をしてくる。
表題曲『浪漫』で「一人より二人でいる方が 楽しいなんて僕にとって 革命的なことなんだよ」
って歌詞とかこのアルバムではなくミニアルバム収録の『生活革命』でも「目から水が 花にもやれないようなしょうもない水です」とかね。
完全にアーティストとして独り立ちした涙モノのアルバムです。
5位 豪華プロデューサー陣による鼻血級の名盤
『愛は地球を救うんさ。だってでんぱ組.incはファミリーでしょ』 / でんぱ組.inc
でんぱ組.inc「もしもし、インターネット」Music Video
いや、もうぶっ飛んだよね。
誰がでんぱ組.incのアルバムにやられるだなんて想像したよ。
まず、音楽的素養がないにも関わらずiPhoneのアプリ「GarageBand」を使い独学で作曲を始めた天才・諭吉佳作/menが手がけた『形而上学的、魔法』と『もしもしインターネット』の破壊力。
それ以外にも清竜人が4曲も提供、神聖かまってちゃん・の子、LACKEY TAPES・高橋海といった涎モノの豪華楽曲たち。
これまでのでんぱ組.incは五月蝿くて聴くに堪えなかったのだが、今作は別次元。
4位 衰えることない圧倒的パワー
『朗らかな皮膚とて不服』 / ずっと真夜中でいいのに
ずっと真夜中でいいのに。『お勉強しといてよ』MV(ZUTOMAYO - STUDY ME)
米津玄師、あいみょん、瑛人、YOASOBIなどネット発のアーティストがバズるのが当たり前になってきているが、その走りであり、その衝撃度ではいまだに誰も超えてこないのがこのずっと真夜中でいいのにだ。
2021年には早くも2ndフルアルバムのリリースが決定しているのでこのEPをランクインさせるか悩んだけども、外すわけにはいかない程の破壊力は健在。
圧倒的にエモーショナルな歌唱力、超絶的なバンド演奏、フックを効かせたシリアスな歌詞。
それをとってもまだまだ「ずとまよ現象」が止まらない。
3位 WACKの全てはBiSのために
『ANTi CONFORMIST SUPERSTAR』 / BiS
「101回目のカーテンコール」 / BiS 新生アイドル研究会 (OFFiCiAL ViDEO)
I WANT TO DiE!!!!! / BiS 新生アイドル研究会 [OFFiCiAL ViDEO]
BiSHをはじめとして、EMPiRE、豆柴の大群、GANG PARDEなどなど大人気のロック系アイドルを要するWACK。
そんなWACKの始まりはBiS。
第3期とはいえ、WACKの象徴といえばBiSである。
全てはBiSのため、そしてBiSを見事なまでに体現するメンバーがようやく現れ、揃った。
そう確信せざるを得ない大傑作EP。
収録曲「カーテンコール」を5時間101回休ませずに歌わせ続けた「101回目のカーテンコール」のMVなんて涙なしには見れない。
101回も歌ってるのにこの歌詞を歌わせるとか狂ってる。でも、ロックだ。これがBiSだ。
2位 覚醒そして黄金期
『LOOKiE』 / BiS
BiS-どうやらゾンビのおでまし- 無修正ver / BiS 新生アイドル研究会[OFFiCiAL ViDEO]
BASKET BOX / BiS 新生アイドル研究会[OFFiCiAL ViDEO]
第3期BiSの2ndアルバム。
圧倒的。
2020年の2月に発売されてから1年間、まったく聴き飽きることなく聴き続けた。
90年代のパンクロックのオマージュ満載ということで・・・実は90年代はイギリスのブリットポップやアメリカのオルタナティブの影響を受けまくっていて、むしろパンクは好きじゃないんですよね。
なんだかバカっぽくて。
だけど、BiSの4人のエモーショナルな歌声、渡辺淳之介のハッとする
歌詞によって非常に説得力のある仕上がり。
さらにただ掻き鳴らすパンクと違ってスクランブルズが施す緻密な音作りのおかげで完全にネクストステージ、最新型パンクに進化。
まぁ、何よりもメンバーの進化がすごい。
『テレフォン』でのトギーのロングシャウトとかTOOLのメイナード・キーナン・・・ほどではないけど、めちゃくちゃテンション上がる。
もう語り尽くせないほどの最高のロックアルバムに仕上がってます。
1位 幸せになる。それこそが唯一の革命である。
『狂(KLUE)』/ GEZAN
稀代の大傑作。
「今 お前はどこでこの声を聞いてる?/iPhoneのしょぼいスピーカーから/はたまた電車の中 目をつぶり左右のイヤホンから/まあ 楽にして聞いてくれ/これは これからこの時代が始めなければいけない革命に対する注意事項/失われた抵抗と安売りのシールを貼られた反乱」
こんなセリフから始められ、トライバルかつBPM100で統一され、シームレスに最後まで紡がれるレベルミュージック。
TOOLを彷彿とさせる不穏で壮大で複雑な音世界とマヒトゥ・ザ・ピーポーの扇動的な歌詞と歌唱。
オルタナティブとは何なのか?
パンクとは何なのか?
今を歌うことすら生ぬるい。
未来を歌う。
未来を歌っている筈なのに、結果的に現在を言い当ててしまったカタルシス。
そして、最後の「I」はまさかの穏やかな美メロ。
その「I」がまたとんでもない名曲。
このアルバムを占める最後の曲の最後に歌われる歌詞。
「幸せになる それがレベル(反旗・革命)だよ」で涙腺崩壊。
YouTubeにアップされているDRIP TOKYOでのスタジオライブは神の領域。鳥肌
まとめ
はい!!
というわけで、今年のベストアルバム20はこんな感じでした。
今年は兎にも角にもWACK所属、SCRAMBLESプロデュースのユニットが爆発した1年でした。
特にBiSは第3期とはいえ、WACKの始まりのユニット。
これまでで一番地味な見た目にも関わらず歌唱力は恐ろしく高い4人が集まったし、肝が据わったパフォーマンスもまさに黄金期到来。
年明けからひたすらBiSを聴きまくったし「BiSが圧倒的すぎるわ。」なんて思っていたところをGEZANが「ロックとはこういうことである」というようなとんでもない大名盤を出してきて・・・。
とはいえ、やはりSCRAMBLESの影響があってか、今年はオルタナティブロックを好んで聞いていた気がしますね。
世界的にも、日本の中でもゴリゴリのバンドってウケなくなってきているけど、やっぱりロックっていいよなって思える1年でしたね。
2021年はどんな音楽に出会えるかなぁ。