理学療法士・波田野征美の『波田ログ!!』

理学療法士の波田野がセラピストとしてトレーナーとしての日々

治療の持続性とは?

どうも、Oriental Physio Academy代表理学療法士波田野です。
http://oriental-physio-academy.jimdo.com


さて、セミナーで質疑応答などをすると

よく出る質問があります。


それが

「どれくらい持続するんでしょうか?」

という質問です。



先に言っておきますが・・・

この質問が悪いとはまったく思っていません。


むしろ、至極当然の疑問だと思います。






この質問に対する回答は

「永久です。」

かもしれないですね。



いや、実際のセミナーではこうは答えないですけど


気持ち的には

「永久です。」と答えたいです。




でも、これは別に当アカデミーの治療法に限った話ではありません。


すべての治療法は

再発することを前提にしてないはずです。





介入した治療は

セラピストの技術的な問題がなく、しっかりと決まれば

基本的には永久に続くはずです。




ですが、それと同時に

「絶対に再発しない!!」と言える治療もこの世の中には存在しません。



なぜなら、セミナーでお伝えする治療法というのは

料理で例えるなら

「食材」でしかないからです。



たったひとつの食材をそのまま出して、美味しい料理ができるわけではありませんよね。


美味しい料理を作るためには数々の食材を組み合わせることで

はじめて美味しい料理になります。




ですから治療もリアルに患者さんを観るときは

色々な視点、色々な治療法を組み合わせて治療していきます。





トリガーポイント療法は他の治療法に比べたら

それだけでも圧倒的に持続性の高い治療法だと思います。

なぜなら、「痛み」と「しびれ」という点でいえば

どんな診断名がつこうと

実際にはトリガーポイントの症状だった

ということを多く経験しますし

そのトリガーポイント自体を直接的に消滅させるのですから

持続性が高いのは当たり前です。




それでも、再発する人は再発します。

再発しない人は再発しません。




ですから、「どれだけ持続するのか?」という質問に対しては

「わからない」というのが答えかもしれません。





ですが、大事なことは

そこではありません。



ちょっときつい言い方かもしれませんが

「持続性の高い手技」

を求めている人は


もしかしたら、何を勉強しても持続性のない治療をしてしまうかもしれません。



なぜなら、大事なことはそこではないからです。



大事なことは

「考えること」


何を考えるかは


「なぜ再発したのか?」

です。






トリガーポイントを例にするならば



トリガーポイントさえ完全に消失できれば痛みは100%なくなります。


しかし、トリガーポイントを完全にリリースできなくても

痛みがなくなることがあります。

というか、ほとんどがそうだと思うます。


なぜなら、症状を起こしているトリガーポイントは

「活動性トリガーポイント」といって活火山のように常にボンボン噴火しているようなものです。


それとは別に「潜在性トリガーポイント」というものがあって、これは休火山のようなものです。

トリガーポイントとしてはあるんだけど、症状を出すほどは活性化されてないというもの。
そして、ほとんどの人には潜在性トリガーポイントがあります。
しかし、それが活動性として噴火せずに一生を終える人も多くいます。


ですから、トリガーポイント自体はなくせなくても

活動性から

潜在性まで

沈静化できればとりあえず症状はなくなりますし

沈静化できれば、そこからまた活動性にならずに一生を終える人も多くいるわけです。




ですから、

それでも再発する人というのは


トリガーポイントを活性化させてしまう要因があるということです。


その要因はたくさんあります。



セラピストが一般的に介入するような

「姿勢」とか「動作」のようなフィジカルな問題もあるでしょう。
もっと細かく関節のズレとかでもいいですよ。



それだけじゃなく、栄養もトリガーポイントを活性化させますし

メンタルもトリガーポイントを活性化させます。



内臓とか皮膚とかからの促通分節からの影響もあります。


あとはもちろん、自分の技術力のなさもね。



再発する人がいたとしたら、これらのどこからの影響で再発しやすくなっているのか?

を考えなくてはいけません。





もちろん、これはトリガーポイントだけではなく他のどの手技にも言えることです。




再発する人としない人の差はなんなのか?


トライ&エラー&トライ

しかありません。





それがわからないと

いつまでたっても

セミナー行脚を繰り返してしまうんだろうなと思います。




当たり前のことだと思いますが




よく出る質問に対する

アンサーです。


では~~~。