投球角度は小さくした方が速い?
2つのグループに分け、20m〜80mの間で投球をしてもらい球速を比較した。
①できるだけ速い球を投げるように指示したグループ
②できるだけ投球角度を小さくして投げるように指示したグループ
結果として①のグループでは40mまでは球速は速くなったが、それ以上では大きな変化はなかった。
②のグループでも同じように距離が長くなるにつれて球速は速くなったが①のグループよりも速い球速になった。
このことから、球速アップを狙うのであれば高く投げる遠投よりも角度を抑えた遠投の方が有効な可能性がある。
遠投に意味はないのか?
①5m先のネットに向かって投げるグループ
②できるだけ遠くに投げるグループ
で投球フォームに違いがあるかを比較してみると、②の遠投グループでは①のグループと比べて、軸足側への体幹の傾斜と体幹の捻りが大きいことがわかった。
また、それに伴い肩の外旋と水平外転の角度が大きかった。
このことから遠投をすることにより身体を大きく使う投げ方を習得できる可能性があるため、手投げの選手や腕のしなりが少ない選手にはフォーム矯正の手段として有効である。
まとめ
球速アップのためならば遠投よりも角度を抑えた速投が効果的であるが、体幹部の捻り、軸脚へのタメ、腕のしなりといったフォームの中での球速に影響を与える要素が不十分な選手にはフォーム矯正としての遠投は有効であり、結果的に遠投によって球速をアップさせることは可能である。
しかし、肩の外旋や水平伸展が大きくなることは肩や肘への負担増も招くため、遠投メニューを導入するには関節可動域の確保、投球数の管理、日頃のケアなどを注意深く行う必要がある。
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