理学療法士・波田野征美の『波田ログ!!』

理学療法士の波田野がセラピストとしてトレーナーとしての日々

【プロ野球選手解説】奪三振率の高さは球速だけじゃない。人類最速チャップマンのピッチングフォーム

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どうも!!

Oriental Physio Academy代表理学療法士波田野です。

 

今回は人類最速ストレートを誇るアロルディス・チャップマンです。

 

近年のメジャー投手はどんどん高速化しており、165km/hを記録した大谷翔平ですらも

 

メジャーでは特別速い投手ではなくなっています。

 

160km/hは当たり前。

 

すでに19歳の大学生ですらも169km/hを記録しています。

 

もちろん球速が全てではありませんが

 

球速が速い方が有利であることは間違いありません。

 

チャップマンの球速の秘密を解き明かすことで

 

メジャーに追いつけ追い越せの手助けになると思いますので

 

ぜひご覧ください。

 

 

 

解説動画


【プロ野球選手解説】驚異の奪三振率は球速だけじゃない!!アロリディス・チャップマンのピッチングフォーム。

 

 

バランスポイント

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脚を上げて片脚立ちになります。

日本ではここで止まっていることを良しとしますが、安定してしまうと動き出しが難しくなります。

多くのメジャーリーガー同様に軸脚に乗り切ることなく始動します。

その中でチャップマンの特徴は身体を捻りながら脚を上げます。

これによって軸脚股関節をハメやすくなることと、この後のショルダーセパレーションを大きくする効果があります。

 

 

ヒップファースト、ドロップ&ドライブ

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軸脚股関節から曲げてパワーを溜めているのがわかります。

身体も後に傾けることで軸脚から荷重が抜けることを防いでいます。

 

 

ショルダーセパレーション、ストライド

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チャップマンの球速の秘密が最大限現るシーンです。

まずはショルダーセパレーションです。

腰が回り始めていますが、上半身の捻りは維持されています。

球速の80%はこのショルダーセパレーションによって生み出されます。

一般的に優秀とされる投手でも腰と肩の角度差は40〜60°ですが、チャップマンは65°となっています。

チャップマンの柔軟性の凄さがわかります。

また、ストライドの広さと速さも際立っています。

通常の投手は身長の87%ですが、チャップマンは120%となっています。

またストライドを広げていく速度も一般的な投手よりも15%速い数値となります。

その秘密は柔軟性だけでなく軸足の蹴り出しの強さです。

動画でも前に飛んでいる様子がありますので、強く蹴り出しているのがよくわかります。

 

デリバリー

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アクセラレーション期です。

レイトコッキングからアクセラレーション期に移行するのですが、この時もチャップマンの凄さが現ます。

この移行にかかる時間が通常は0.7~0.9秒ですが、チャップマンは0.4秒

腕の振りが速く、それだけのパワーが発揮されているのがわかります。

 

エクステンション

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リリースです。

ここにチャップマンが驚異的な奪三振率を誇るのが球速だけではない理由がこのリリースポイントにあります。

通常の投手はリリースポイントが前足の上に位置しますが、チャップマンは前足よりも30cm前でリリースします。

チャップマンの球速で30cmもリリースポイントが前になると打者の体感速度は4.8km/h速くなります。

さらにリリースポイントが前になると自然とリリースポイントの高さも低くなります。

リリースポイントが低くなるとストレートの入射角は水平に近くなります。

入射角が水平に近づくほどの空振り率が高まることがわかっています。

これによりチャップマンは奪三振率15.0を記録しています。

(9イニング投げた時に平均で15奪三振ということ)

 

 

フォロースルー

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研究ではこの体幹の前傾角度も球速に影響を与えていると言われています。

この写真を見てもチャップマンがしっかりと振り切っているのがわかります。

グラブもしっかり引いていますし、体幹は水平近くまで倒れ、前足までしっかりと乗り切っています。

先日アップした山本由伸投手とは全然違うということがわかります。

 

 

まとめ

いかがでしたか?

驚異的な柔軟性があるからこそのフォームなので、安易に真似しようとすると怪我をする可能性があるのですが、球速に必要な要素がとてもわかりやすいピッチャーでもあります。

ぜひ普段のトレーニングの参考にしていただけたらと思います。

 

 

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