理学療法士・波田野征美の『波田ログ!!』

理学療法士の波田野がセラピストとしてトレーナーとしての日々

【プロ野球選手解説】日本人もこれなら真似しやすい。坂本勇人のバッティングフォーム。

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どうもOriental Physio Academy代表理学療法士波田野です。

 

今回は読売ジャイアンツ坂本勇人選手のバッティングフォーム解説です。

 

バッティングの基本理論を知っておくとさらに理解が深まりますので、こちらもご覧ください。

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2019年の成績

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坂本選手のイメージといえば

 

中距離打者

アベレージヒッターだと思います。

最多安打首位打者を獲得するものの、ホームランが30本を超えたのは1度だけ。

平均して20本届かないくらいです。

 

圧倒的な人気は誇っていますが、人気に相応しい実力があったかというと疑問が残るところでした。

 

ところが2019年に事件が起こります。

 

坂本選手がホームランを量産。

 

60本を超えるペースで打ちまくりました。

ペースはそこから落ちましたが、リーグ最速で30本を超え

打率もハイアベレージをキープし

 

令和初の三冠王!!と注目されました。

 

結果的にはホームランは40本

打率も2位となりました。

 

もちろん、それでも素晴らしい成績でしたけどね。

 

そして、2019年の坂本選手はホームラン量産のおかげもあり

 

長打率はなんと1位!!

OPS2位。

勝利貢献度3位。

とキャリアハイとなりました。

 

コース別の成績

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首位打者を獲得した2018年はアウトローだけが極端に低く、それ以外は4割前後という驚異的な打率分布を示していたので、それと比べるとアウトハイ、そして坂本選手の得意としていたインハイも打率を落としているのが少し気になりますがそれでもインコースを苦にしているというレベルではないですし、比較的苦手であった低めの打率とホームラン数が顕著に伸びています。

 

構え

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スタンスはやや広めに構え、体重は後の割合が非常に大きいですね。

広めに構えることでステップしてストライドを広げた時に近い脚の形になるためスイング開始のための理想的な身体の状態を意識することができます

理想は前50%後50%なので、もう少し前で構えられるとスイング時の余計な重心移動を防げるはずです。

グリップの位置は日本人に多い、遠く高くという構えですね。

しかし、後の引くなどはせず両脇を開き五角形の形を作っているのは素晴らしい点です。

 

ステップ開始

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日本人ではここで重心を並進移動で後脚に完全に乗せる選手が多いのですが、そうすると地面からの反力を得ることもできませんし、安定しすぎて次の動作への移行がスムーズでなくなります。

坂本選手は重心をほとんど動かさず、後脚の股関節にわずかですがハメ込む「圧縮ステップ」でほんの少しだけ軸脚に体重を移しています。

これにより地面からの反力を受け、後脚にパワーが蓄えられます。

重心を動かさずに前脚を浮かせることで前方への重心移動が自動で起こります。

しかし、これだけ前脚を大きく動かしてしまうと前脚の接地までの時間を要してしまい、その分重心の前方移動が大きくなる恐れがあり、速球への遅れや変化球などにも身体の突っ込みを生みやすいです。

坂本選手が低めの変化球に対して身体を泳がせながらヒットにするというシーンをよく見ますね。

「技術」と言えなくもないですが、泳ぐことなくしっかりと振り切れるようになればもっと確実性や本塁打が増えたかもしれません。

グリップの位置も変化はありません。

ここからハンドローディングで肩の近くまで引き付けられると理想なのですが、腕も五角形をキープしているので及第点です。

 

トップ

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トップです。

ストライドがかなり広いですね。

頭の位置は少しだけ前方に移動しますが最小限に留められています。

しかし、それに反して下半身の重心移動が大きく、決して開いているということはないですが後脚の荷重が抜けてしまっている印象を受けます。

前述のように坂本選手が泳ぎやすいのでこの辺りにあるのかもしれませんね。

腕はまだ身体からは遠いですが五角形をキープしています。

後の腕はゼロポジションの「フライングエルボー」、前の上腕も肩のラインと並行になっています。

これにより、この後のコネクション&スパインアンクルがスムーズになります。

 

コネクション&スパインアンクル、ショルダーローテーション

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坂本選手の特筆すべき重要ポイントです。

五角形をキープしながらも身体から離れていた腕が一気に身体に引き寄せられ、バットは肩の上で回る始める「ショルダーローテーション」になっています。

後の肘もヘソに近づいています(コネクション)

これによってグリップ先行になりバットは一気に加速していきます。

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さらに肘を伸ばさずに五角形をキープし、バットが肩の上から滑り落ちていくようにレベルスイングの軌道に入ります。

これによってボール軌道とバット軌道が一致する時間が長くなるので空振りの確率が少なくなります。

ここで肘が伸びてしまうとバットは遠回りするドアスイングとなります。

また、ダウンスイングの意識があるとグリップ先行でも肘が伸びてきてしまい確実性も落ちますし、バレルゾーンから外れて長打は望めません。

 

ベースボールインパク

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インパクトの瞬間も五角形をキープして「ホームベースインパクト」ができています。

これによってインコースへの対応力が高まります。

坂本選手がインコースを得意としている理由がよくわかりますね。

柳田選手ほどではありませんがトップクラスの「肘抜き」です

インパクトの瞬間にはしっかりアッパースイングでボールの軌道に合わせています。

これによってゴロになることを防ぎます。

ゴロでは打率は.190ですが、打球が0°〜30°であれば.333〜.630まで跳ね上がります。

 

フォロースルー

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肘抜きが十分にできているのでフォロースルーでは肘が背中まで回っています。

ぜひ、みなさんもこの形になるようにしていただきたいポイントです。

 

2018年との比較&まとめ

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ちなみに2018年との比較です。

2018年ではステップの際に後脚への荷重は並進移動でありました。

そのため股関節のハメが起きにくく、前方への突っ込みがありました。

2019年は前述のように並進移動ではなく股関節のハメをしています。

それによって飛距離が伸びてホームランが量産されたのだと思います。

しかし、まだまだ前方への重心移動が大きく突っ込みやすいのは事実。

前に突っ込めばアウトコースを引き付けることは難しくなります。

年々、克服しているとはいえまだまだです。

打率こそ上がりましたが、アウトローを簡単に空振りするというシーンが非常に増えました。

ストライドを狭くし重心移動を抑えることができればアウトローをもっと引き寄せて反対方向への長打がもっと増えると思います。

 

 

 

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